この体験記を書いた目的
南研を目指している・気になっている人に読んでほしくて書きました。先生や現ゼミ生からの情報に加えて、卒業したゼミ生からの話も研究室配属に役立つのでは?という気持ちが執筆のきっかけになっています。配属の参考になれば、幸いです!

この体験記を書いた人
加藤音奈(ねな)と言います!造形・メディアデザインコースの4期生です。在学中は見立てを軸として、アイデアを重視したデザインをしていました。
気になる人はポートフォリオ(vivivitで買取になりました)覗いてみてね!
https://www.vivivit.com/works/899520)←ログイン必須!
大学時代はひたすら読書をしていました(206冊読んだヨ!)読んだ本の中で面白かったものは南研の本棚に勝手に寄贈しました。気になる方は読んでみてね!
卒業後は、面白法人カヤックで新米プランナーとして働いています!

私はこうして南研に入った!
南研を選んだきっかけが2つあるので、それについて書いてみます。

南先生のデザインに惚れた!
みなさん、「チョンマゲ羊羹」を知っていますか?羊羹をチョンマゲに見立てたデザインです。
パッケージデザインの入り口』という本でこのデザインを知り、一目惚れしました。
数か月後、これは南先生がデザインしたものであると知り、「マジかよ?!!?!」と思いました。
「南先生からデザインを学ばないと、私は人生で一生後悔する」と感じ、南研究室への興味が強まりました。

南研のOBOGが強すぎる!

南研はゼミ旅行で、よく東京に行きます。その時、OBOGの方との飲み会があるのですが、そこに参加されるのは有名企業の人ばかり…。電通、乃村工藝社、TOPPAN、パナソニック、EPSON、SHARPなど…。多すぎて書ききれませんが、そのような方々から作品のフィードバックをいただくチャンスがたくさんあります!大学の先生だけでなく、色々な人からポートフォリオや作品にフィードバックをもらうことで、さらにデザインのレベルアップができます!
「こんなに贅沢な経験を逃すわけにはいかない!」と思い、南研の志望度が上がりました。


南研ってどういうところなの?
一言で言うと、デザイナー・クリエイティブ人材を育てるための研究室だと思います。以前、南先生が「入ったからには、クリエイティブ人材になってほしい」とおっしゃっていましたが、卒業生の多くがクリエイティブ系の職種に進んでいることがこの研究室の特徴です。クリエイティブを目指しているなら、ここに入っておけば人生は踏み外さないと思います。
南研で目指せるクリエイティブの領域は、メーカー(EPSON、SHARP、YAMAHAなど)、広告・印刷・サービス(電通、TOPPAN、カヤック)、テレビメディア(TBS)、空間デザイン(乃村工藝社)らへんです。かく言う私は、広告サービス業界(面白法人カヤック)のプランナーになりました。
もし、広告や企画、プロダクトデザインに興味のある方いらっしゃいましたら、南研はおすすめです。
造形で広告業界を目指せる研究室をここ以外に知らないので、もし入ってくれたら私も何かしらお役には立てると思います!
みんな3年生では、「PBLテーマやゼミで何をするのか」に目が行きがちだけれど、そのゼミで先輩がどんな卒業研究をして、どこに就職をしているのかをしっかり調べた方が良いです。ゼミで楽しく2年間幸せなのか、それとも卒業後、何十年も働くことになるところで幸せなのかよく考えたほうが良いです。
東京でよくお会いするOBOGさん達もみんなエネルギッシュで幸せそうに働いています。離職率もとても低いみたいです。

南研では何をするのか?
年度で変わるかとは思いますが、生活デザインに関わる全てに取り組みます(生活デザインについては、後述を参照)。なので、プロダクトやグラフィックなどのデザインのジャンルは問いません。ですが、南先生が指導できる範囲内に限ります。
私の代で取り組んだこととしては、コンペへの応募、展示会への出展です。
コンペは、登竜門に載っているものに取り組みました。オレンジストリートという商店街のアーチのグラフィックデザインのコンペにゼミ生5人+先生で挑戦しました。謎に石井君だけ入選しました。私は落ちました…。(https://www.ilovehorie.com/?post_type=post&p=1675)他にも「デザインの引き算展」という展示に参加しました。滋賀県立大学と神戸芸術工科大学の学生と共同で取り組みました。各々が引き算だと思うものをデザインで表現し、椅子や照明などのプロダクトから、カレンダーやパッケージなどのグラフィックまで様々なデザインを展示しました。私は、個人の作品としてタバコのパッケージを制作しました。
また、展示のキービジュアル・ポスターも担当しました。
引き算展のサイトにも載ってます!(https://hikizanten.myportfolio.com/
こんな感じで、南研では授業以外でデザインに積極的に取り組みます。「大学の授業以外でもデザインの修行がしたい!」という人にはピッタリだと思います!

補足:生活デザインって何???
生活デザイン研究室という名前にもある通り、南研は「生活のデザイン」に取り組みます。具体的な守備範囲としては、企画、サービス、ブランディング、グラフィックデザイン(パッケージ、ポスター、ロゴ)、プロダクトデザイン(生活雑貨など)です。
逆に、医療やモビリティ、テクノロジーを用いたものなどは生活デザインの領域から外れます(多分)。医療系のデザインはガッツリ大塲先生ですし、3Dプリンターなどテクノロジーを用いたものやモビリティは井藤先生の領域です。なので、南研で医療のデザインとかはできないです。
ここ、実はめっちゃ重要なことで、自分の興味がある領域と生活デザインの領域が被っていないと、卒業制作が厳しくなります。「テクノロジーを用いたプロダクトデザインをやりたいです!」と言ったとしても、南先生の指導可能領域から外れます(先生はそうは言ってない)。ここを間違えると「やりたいデザインができない!」というフラストレーションを抱えることになるので、ゼミ選びのときに南先生とよく話し合っておいた方が良いです。私の場合は、たまたま興味のある分野(広告・サービス、グラフィック)が生活デザインの領域に入っていたので、悩むことはありませんでした。
生活デザインについて、南先生がまとめたPDFがあると思うので、詳細はそちらをご覧ください。この資料は、目から血が出るくらい読み込んだ方がよいです🙆‍♀️

南研に入ってよかったところ
デザインのレベルがどんどん上がる!
南研では、基本デザインしかしません。なので、自然とデザインに取り組む時間が増え、デザインスキルがどんどん上がります!デザインができる・できないに関わらず、(本人の努力次第ですが)入っちゃえばデザインができるようになります。
「デザインできないから、南研はやめとこうかな〜」「コンペ獲ったことないから、南研は難しそうだな〜」と思うそこのあなた!デザインスキルの有無に関わらず、南研への扉はみなさんに平等に開かれています!私も、大学4年の2月までコンペの受賞経験はありませんでした。デザインへの限りない執念があれば、南研で実力を伸ばせるはずです!

お手本級のポートフォリオが見放題!
南研の本棚には、歴代の超絶スーパー凄い激ヤバのゼミ生たちが残したポートフォリオがあります。
就活で1億%必要なポートフォリオですが、南研に来ればピンタレストやリデザイナーでは見つけられないお手本をたくさん見ることができます!
「ポートフォリオってどうやって作ったらええねん」「どんな作品をどんな順番で載せたら良いの?」「ネットに載っているものを参考にすると、他の人と似たようなデザインになる…」というお悩み、南研で全て解決できます!大塲研の人もポートフォリオをよく見に来ます。ポートフォリオといえば南研で覚えて下さい!

クリエイティブ就活に本気で取り組める!
南研では、インターンや本選考の〆切など就活の情報をホワイトボードで共有するという文化があります。就活は情報戦なので、学生同士で情報を共有しないとチャンスを逃してしまいます。ホワイトボードを見て、どの企業がインターンを行なっているのか、締切はいつなのかという情報をすぐに確認できます。
また、情報の共有だけでなく、学生同士で励まし合うことでお互いに高め合えます。「もう疲れたゼ…」とネガティブな気持ちになっても、他の学生が頑張っている姿を見ると、自然とやる気が出てくるものです。
それに加え、南研のOBOGには、プロダクトやグラフィックのデザイナーをはじめとしたクリエイターがたっっっっくさんいます!コピーライター・CMプランナー、ディレクター、プランナー(広告、空間)もいます。そして、それらの多くは最前線で活躍するトップクリエイターです!(私はそう思っています)
そのため、その人たちから就活やポートフォリオのアドバイスをもらうことができます。OBOG訪問だってできちゃいます。
デザイナーになりたい、複合的なサービスに幅広く携わりたいと本気で思っている人には、南研はピッタリです!

南先生が作るたこ焼きが美味すぎる!😋
意外に思われるかもしれませんが、南研はよくタコパをします。しかも、南先生が自分で釣っためちゃ美味しいたこを焼いてくれます!!お世辞抜きでたこ焼き屋よりも美味しいです。
授業中の南先生には少し近づき難いイメージがあると思いますが、南研の南先生はフレンドリーなのです!(嘘つけと思っているそこのあなた、これはかなりマジな話です)
先生が作った美味しいたこ焼きを食べられるのは、ここしかありません。たこ焼き好きのあたなには、南研がピッタリです!

南研に入って成長を感じたこと
心にミニみなみんが住み出した!
「まぁ、こんぐらいいいか。見えないし…」と細部の手を抜こうとすると、「ここ、はみ出てる」「ここ汚い」と喋りかける関西弁が脳内に響きます…。デザイナーなので当たり前ですが、先生はアウトプットにとにかくこだわる方なので、細部までちゃんと作らないといけないというマインドが身に付きます。
就職した今でも、心の中の先生はいつも語りかけてくれます。「ここは揃える!」

「負けたくない」というエネルギー
南研の学生は、とにかく負けず嫌いです。時には研究室がピリつく時もあります。ですが、決して仲が悪いというわけではなく「あの子には負けないぞ!」という純粋な気持ちが強いだけです。南研に入り、負けず嫌いな性格により磨きがかかりました。
また、お互いに協力し合うこともあります。例えば、就活のときにはESやポートフォリオを見せあったり、面接練習をしあったり、慰め合ったりします。私も、就活の時には南研の仲間にたくさん助けられました。志望度が高かった会社の本選考に落ちて研究室で泣いた時も、みんなが慰めてくれたので、気持ちの切り替えができました。みんながいたから今の私があると思っています。

展示会への興味が出てくる
南研では、デザインの展示会や卒業制作展を見に、東京・大阪にゼミ旅行によく行きます。よく行く展示会は、インテリアライフスタイル、DESIGNART TOKYO、21_21design sight、ggg、アドミュージアムなどです。南研に入ると展示会に行く癖がつくので、就活のときは、東京にいく合間で展示を見に行ったりしていました。そして、それをグループLINEでシェアしてみんなで勉強したりしていました。
展示会に行って学ぶことは、本物のデザインに触れて完成度の高さを知ること、展示での見せ方(照明の当て方、パンフレット、壁の使い方、説明の書き方など)、制作者に話を聞き色んな人の考え方に触れることです。受け身で展示会に行くのは勿体無いので、(個人的には)制作者に話を聞く・気に入った作品のパンフレットをもらってメモにまとめるというやり方がオススメです!

卒業制作への圧倒的な熱量
香川大学の中でも展示会に行く回数が圧倒的に多い南研は、卒業制作・卒業展示にかける熱量がとにかく大きいです。造形の2025年の展示をご覧になった方はお分かりだと思いますが、南研だけなんかレベチやん…ってなったと思います。南研はあれ以上のレベルの卒業展示を目指しています。目標としては、美術大学の卒業展示と比較しても劣らないレベルだと南先生が以前おっしゃっていました。
卒業制作は、グッドデザインニューホープ賞や金の卵賞など、外部のコンペを受賞できるレベルを目指します。そのため、大学3年の3月ごろから卒制のテーマ決めを行います。多摩美、武蔵美術、京都芸術などレベルの高い美術大学の卒業展示を見て、どんなテーマでどんなアウトプットを作るか構想を練ります。そして、中間発表までにアウトプットを作成、その後、学内発表までに一気に作り上げます。
学内発表が終わったら、今度は卒業展示にガチで取り組みます。今まで見てきた数々の展示を参考にしながら、造形の中で圧倒的な完成度を誇れるレベルにします。私の時は、展示にかける時間がとにかく無くて、本当に苦労しました…。もう一度、卒業制作をやれと言われても、できる気がしないです…😭。

南研に集まる学生の特徴
先ほどの内容と少し被りますが、南研にはデザインにかける熱量が半端じゃない人が集まります。なので、負けず嫌いな人や、粘り強い人、簡単には諦めない性格の人が多いように思います。
なぜこうなるのかというと、(ぶっちゃけ)南先生の授業についていく人が研究室に入ることが多いからです。私もそうでした。毎回の授業で、最高点のフォルダに自分の提出物が入ることを目標に、課題に取り組んでいました。そして、最高が取れなかった時はものすごく悔しくて、自分よりも点が良い人の講評を食い入るように聞いていました。
先生が前こんなことをおっしゃっていました、「南ゼミには頑張れる子が来る」。本当にそうだと思います。今の4年生も全員、めちゃくちゃ頑張る子たちです。次の研究室配属でも、南研にはそんな学生が来てほしいと思います。

南研って忙しいの?
その通りです!忙しいに決まっています!そうでないと、もはや南研ではないかも…。「えー👎」という声が聞こえてきそうですが、少し語らせて下さい。
学生時代の時間を何に使うかで人生は決まります。バイト三昧な学生生活でも良いと思いますが、やっぱりデザイナーを目指すならデザインに時間を充てた方が良いです。なぜなら、それがいちばんの近道だからです。
確かに、南研は他の研究室と比べて忙しいです。ゼミ旅行で展示を見に行ったり、コンペに応募したり、研究室全体で就活に取り組んだり、卒業制作への取り組み時期が早かったり…。大変だなと思うこともたくさんありましたが、どれも無駄ではなかったです。むしろ、これらに取り組んでいなかった大学生活が恐ろしく思います。
大学生活はたったの4年間しかありません。院も含めると6年ありますが、3年生の頑張り、そのたったの1年で今後の20、30年が決まります。初めに苦労をすれば、後は本当に楽です。今現在も税金は上がってきていますし、年収が良くて福利厚生がしっかりしている会社に新卒で入る重要度が上がっていると思います。新卒でしか使えない企業へのカードがあります。そのためには、大学生活の4年間で苦労をしておくべきです。
なんだか人生論について語ってしまいましたが、まとめると、大学生活の時間を、未来のために投資したほうが良いということです。(説教くさくなってたらごめんさない🙏)

ここまで読んでくれて、ありがとうございます!
私から言えることはこのくらいしかありませんでした。もっと聞きたいゾ!という人は、ぜひ研究室訪問に行ってみて下さい!研究室の雰囲気で合う合わないの印象が分かると思います。また、私の話をもっと聞いてみたいな…という方がもしいらっしゃいましたら、いつでもLINE下さい! SNSをやっていないので、LINEしか連絡手段がありません。なので、私のLINEを持っている人からもらっちゃって下さい!
みなさんの研究室配属がうまく行くことを願っております!!!
2025年4月13日
土砂降りの鎌倉より
加藤音奈

You may also like

Back to Top