安藤忠雄 仕事をつくる
独学といっても、勉強の仕方がわからない。京大や阪大の建築科に進んだ友人がいたので頼んで、教科書を買ってもらった。それをひたすら読んだ。彼らが四年間かけて学ぶ量を1年で読もうと無我夢中で取り組んだ。朝起きてから寝るまで、ひたすら本に向かった。1年間は一歩も外に出ないくらいの覚悟で本を読むと決めて、やり遂げた。当時の私は意地と気力に満ち溢れていた。 つらかったのは、ともに学び、意見を交わす友人がいなかったことだ。自分がどこに立っているのか、正しい方向に進んでいるのかさえわからない。不安や孤独と闘う日々が続いた。そうした暗中模索が、責任ある個人として社会を生き抜くトレーニングとなったのだろう。 以上、本文より抜粋 みなさんが共に学び、意見を言い合える友人がいることはとても大きな財産なのです。